論文
「中世後期~近世初期の古記録(日記)における家系と文体」
後藤英次
『中京大学文学会論叢』第11号, 49, 70, 2025年, 査読無, 単著(単編著), 室町~江戸初期の古記録(日記)の正月一日の記事の比較を通して、家系によって文章・文体がどの程度規定されるのかを観察した。山科家の場合は一定程度の「家」による枠組みが認められたが、九条家については、戦国時代以降は「家」という枠組みが相当に弱化している有様が窺えた。
論文
「同一場面記事の比較からみる古記録の文体 ーー火災の記事の比較からーー」
後藤 英次
『中京大学文学会論叢』第10号, 10, 1?, 14?, 2024年, 査読無, 単著(単編著), 中古から中世後期にかけての古記録14文献における火災の記事を比較した。その結果、概略的にではあるが、類型的文体としての記録体に変遷があること、また同時期の古記録であっても記主ごとに用字・用語や叙述態度の相違があり、個性的な文体が認められることを示すことができた。
論文
「『上井覚兼日記』における引用・例示の「通」小考」
後藤英次
『中京大学文学会論叢』第9号, 9, 33, 48, 2023年, 査読無, 無し, 単著(単編著), 『上井覚兼日記』に見られる特殊な用法(「引用」「例示」)で使用されたされる「通」字について、これが「とほり」という語を表記したものであろうこと、そして、こうした用法の「とほり」は記主覚兼の日常口頭語(室町時代語や九州方言)を反映したものであろうこと、を指摘した。
論文
「古記録(日記)資料の文体把握の方法――同一場面記事の比較の試み――」
後藤英次
『国語学研究』第59集, 「国語学研究」刊行会, 59, 1, 13, 2020年, 査読有, 単著(単編著), 公家日記類の文体の共時的変異(個性的文体)および通時的変遷を把握する方法として、同一場面の記事を比較するという方法を試みた。その結果、記主の感情や評価に関する表現の多寡等に資料による差が認められた。一口に日記とは言っても、その実態は多様であることが窺えた。
論文
「平安時代古記録における「遅参」とその関連語の解釈をめぐって」
後藤英次
『中京大学文学会論叢』第5号, 15, 25, 2019年, 査読無, 単著(単編著), 日本語学(国語学)における研究成果が日本史の分野では十分には参照されておらず、例文の解釈に誤りの認められる場合のあることを、「遅参」「遅く」といった語の場合を例に指摘し、学問分野間の交流が望まれる旨を述べた。
論文
「日本語学の観点からみた記録語辞典 --峰岸明著『平安時代記録語集成』の可能性--」
後藤英次
『中京大学文学会論叢』第3号, 63, 81, 2017年, 査読無, 単著(単編著), 日本語学的観点からみた場合、従来の記録語辞典は、用例を掲げないなど、不十分なものが多かったこと、それに対して『平安時代記録語集成』は日本語学的な使用にも十分堪えうるものであり、今後の斯学の発展のきっかけになり得るものであること等を述べた。
論文
「中世後期以降の古記録(日記)資料を日本語史学的に扱う際の視点 --主に中世末期以降の公家日記の場合--」
後藤英次
『中京大学文学会論叢』第2号, 61, 80, 2016年, 査読無, 単著(単編著), 中世後期以降の公家日記の言語(表記、語彙・語法)のあり方は、公家日記の記録内容(記録態度)と密接に関わっており、したがって、公家日記の文体の変化を捉えるためには、記録内容(何の記録なのか)に着目することが有効であることを論じた。
論文
「平安時代の記録体の言語の基盤に日常口頭語があるとはどういうことか」
後藤英次
『中京大学文学会論叢』 第1号, 71, 83, 2015年, 査読無, 単著(単編著), 平安時代の記録体(古記録の文体)の言語の最も根本的な基盤としては、当時の日常口頭語があり、そのひとつ上の基盤として漢文訓読語が考えられることを論じた。また、記録体のどういった部分に日常口頭語的要素が窺えるのかについて指摘した。
論文
「中世末期~近世初期の公家日記の文体類型--その成立過程および推移等に関する覚書--」
後藤英次
『文学部紀要』第47巻第2号(中京大学文学部), 167, 178, 2013年, 査読無, 単著(単編著), 中世末期~近世初期の公家日記においては、平安時代の公家日記とは異なった文体を持つものが見られる。本稿では、その文体における類型の存在の指摘を行い、また、そうした類型の成立過程についての見込みを述べた。
論文
「中世以降の古記録の日本語学的研究 序説」
後藤英次
『文学部紀要』第47巻第1号(中京大学文学部), 169, 189, 2012年, 査読無, 単著(単編著), 従来、古記録の日本語学的研究は、平安時代のものを中心に行われてきており、中世以降のものは、ほとんど手つかずの状態にある。本稿では、日本語文章語史を考える場合、中世以降の古記録の研究が重要であることと、その研究の効率的な方法について述べた。
論文
「『吾妻鏡』の漢語と公家日記の漢語 --古記録資料対照漢語(漢字語)表作成の試み--」
後藤英次
『文学部紀要』 第44巻第1号(中京大学文学部), 1, 43, 2009年, 査読無, 単著(単編著), 『吾妻鏡』に用いられている漢語(漢字語)と、公家日記で用いられている漢語とを比較した。その結果、古記録資料における基本漢語とでもいうべきものの存在、また、それとは対極にある各資料の特有語の存在が明らかになった。
論文
「『吾妻鏡』における複合動詞「仰-」」
後藤英次
『中京国文学』第26号, 11, 19, 2007年, 査読無, 単著(単編著)
論文
「延慶本『平家物語』における記録特有語--記録特有語と口語資料(二)--」
後藤英次
『文学部紀要』第41巻特集号(中京大学文学部), 99, 115, 2007年, 査読無, 単著(単編著)
論文
「平安・鎌倉時代の公家日記における接頭語「打(ウチ)」
後藤英次
『国語学研究』第43集, 59, 70, 2004年, 査読有, 単著(単編著)
論文
「中世前期口語資料における記録特有語」
後藤英次
『文学部紀要』第36巻第3 ・4 号(中京大学文学部), 68, 49, 2002年, 査読無, 単著(単編著)
論文
「記録特有語の口頭語化について--中世後期口語資料の検討から--」
後藤英次
『語から文章へ』, 『語から文章へ』編集委員会, 47, 60, 2000年, 査読無, 単著(単編著)
論文
「記録語としての助字の意義」日本文芸研究会編『伝統と変容--日本の文芸・言語・思想』
後藤英次
ぺりかん社, 206, 226, 2000年, 査読無, 有り, 単著(単編著)
論文
「『小右記』『御堂関白記』における接頭語「相(アヒ)」
後藤英次
『語彙・語法の新研究』明治書院, 73, 86, 1999年, 査読無, 有り, 単著(単編著)
論文
「平安・鎌倉時代の公家日記における「副詞+以」の用法」
後藤英次
『国語学研究』第38集, 1, 14, 1999年, 査読有, 単著(単編著)
論文
「『吾妻鏡』における和製漢語」
後藤英次
『日本語の歴史地理構造』明治書院, 120, 134, 1997年, 査読無, 有り, 単著(単編著)
論文
「鎌倉時代の口頭語資料としての日蓮遺文(女房消息)の検討」
後藤英次
『東北大学文学部日本語学科論集』第5号, 1, 12, 1995年, 査読有, 単著(単編著)
論文
「漢文訓読語の変容--鎌倉時代の「口頭語資料」の検討から--」
後藤英次
『文芸研究』第133集, 32, 43, 1993年, 査読有, 単著(単編著)
論文
「平安・鎌倉時代の記録体における並立の接続詞について--「オヨビ」と「ナラビニ」--」
後藤英次
『国語学研究』第32集, 41, 55, 1993年, 査読有, 単著(単編著)