研究ノート
パンチ&ジュディのヴィクトリア朝
岩田託子
ヴィクトリア朝文化研究22号, ヴィクトリア朝文化研究学会, 22号, 57, 84, 2024年, 査読有, 無し, 単著(単編著), 長い歴史を持つ英国の人形劇パンチ&ジュディについて、まずヴィクトリア朝に限定して見えてくる特徴を記述した。ついでパンチ&ジュディが現われる例から、英国の投影文化を概観し当時世界で最も盛んであったさまを推し量る可能性を示唆した。
論文
英国で映画が始まる頃--(2)幻灯と映画と 2.幻灯と映画の交差点--
岩田託子
国際学部紀要, 中京大学国際学部, 第7号, 1, 19, 2024年, 査読有, 無し, 単著(単編著), 英国の映画の草創期を豊かであった幻灯文化から映画創作への瞬間をとらえた
論文
英国で映画が始まる頃-(2)幻灯と映画と1.バンフォース
岩田託子
国際学部紀要, 中京大学国際学部, 6, 1, 29, 2023年, 査読有, 無し, 単著(単編著), イングランド北部の小さな村の写真館から3代にわたって栄えたバンフォースが幻灯種板製造で最大手になり、さらには先端芸術である映画の製作に乗り出すまでを追跡することで、19世紀を通じて最も栄えた幻灯文化が映画を産みだす局面を記した。
論文
最盛期英国幻燈文化をおもちゃ映画ミュージアムコレクションに見る
岩田託子
Toy Film Museum 9 マジック・ランタン~さまざまな幻燈の楽しみ, 京都映画芸術文化研究所, 9巻, 10, 24, 2022年, 査読有, 有り, 単著(単編著), 京都おもちゃ映画ミュージアム所蔵品を例示できる優位性をかりて、19世紀末、幻燈文化最盛期に初期映画が始まったととらえ、特に質・量とも他国に比べて目立つ存在であった英国の幻燈文化の特徴--人間にポーズをとらせた種板を連続させ物語を紡いだ――から、映画の始まりに見受けられる英国の特徴を、特に、両方のメディアを生産したバンフォース社に注目することで連続性とともに異質性を認めるべく試みている。
論文
「英国で映画が始まる頃――(1)映画に先立つ幻灯文化
岩田託子
国際学部紀要, 中京大学国際学部, 4, 1, 22, 2022年, 査読有, 無し, 単著(単編著), 19世紀後半英国で盛んであった幻灯文化の特色を分類範疇を確認しながら明らかにした。
論文
幻灯が明治の人に見せたもの―英米からの視点―
岩田託子
国際学部紀要, 中京大学国際学部, Vol. 2, 23, 54, 2021年, 査読有, 単著(単編著), 英米由来の幻灯種板の影響下にあった日本の幻灯種板残存例と文献を調査し、当時の幻灯文化の一翼を明らかにした。
論文
日本におけるパンチ&ジュディ再考
岩田託子
日本の人形劇, 特定非営利活動法人国際人形劇連盟日本センター, 2020年版, 42, 61, 2021年, 査読有, 単著(単編著), 2019年5月に翻訳書『「パンチ&ジュディ」の文化史』を出版し、「はじめに」において「日本におけるパンチ&ジュディ」をまとめたが、これがきっかけで更なる調査が進むことになった。それをまとめ新たなる知見とした。
論文
「映像にイシグロはなにを見るか」
岩田託子
カズオ・イシグロの世界, 水声社, 163, 181, 2017年, 査読有, 共著(共編著), 初期からのTVドラマ脚本執筆や、自作映画化時の関わりなどにふれ、映像と文学との関わりに焦点をあててときほぐした。
論文
A Lantern Reading Competition: How People Understood Lantern Lectures in Victorian Britain
Magic Lantern Gazette, Vol 22, No.3., 2010年, Reading Competition is just a fiction and interesting people's imagination.
論文
“Mr. Punch Transfigured in Japan”
Puppet Centre Trust Animations, 1995年
論文
「<芸術家小説>から<メタフィクション>へ」
日本英文学会英文学研究, 1995年
論文
「『幕間』の世界」
日本英文学会英文学研究, 1991年
『「パンチ&ジュディ」のイギリス文化史』
ロバート・リーチ
翻訳, 単訳, はじめに と全訳, 昭和堂, 2019年, 978-4-8122-1805-1, 英国で350年以上続く人形劇の歴史・伝統・意義を説く定番研究書を全訳し、日本の新興人形劇の局面への関りを示した。
『日の名残り』のあとのイシグロと映像
岩田託子
編著書, 共著, 4章カズオ・イシグロの広がり, 宝島社, 2017年, 978-4-8002-7939-2, 拙稿「映像にイシグロはなにを見るか」で論じた範囲以降の映像とイシグロの関係を論じたが、世界的なヒット作となった映画に加えて、広く視聴者を得た日本でのTVドラマ化も対象とした。
From Japan to Celebrate Mr. Punch's 350th Birthday: May Fayre
編著書, Japan Branch, the Worldwide Friendship of Punch & Judy, 2012年, Edited a leaflet with articles by a Japanese punchman and scholars in order to participate in "Big Grin" project celebrating Mr. Punch for his 350th birthday.
「酒の危なさ―十九世紀英国の危ない<酒>を「ジャネットの悔悟」に読む」『危ない食卓』
著書, 新人物往来社, 2008年, ヴィクトリア朝中産階級の主婦がキッチンドリンカーになり、そして禁酒主義者の牧師にならい依存から脱出するまでの物語の背景を、一大社会運動であった禁酒主義運動に読み取っていった。
ヨーロッパ読本 イギリス
編著書, 河出書房新社, 2007年
『図説 スコットランド』
著書, 河出書房新社, 2005年
「一九世紀女性の流行意識」「小説にみる一九世紀<食>の風景」「もの溢れるヴィクトリア朝と作家たち 」 『衣・食・住で読むイギリス小説』全3巻
著書, ミネルヴァ書房, 2004年
『英国レディになる方法』
著書, 河出書房新社, 2004年
『イギリス式結婚狂騒曲』
著書, 中公新書, 2002年
『英国文化の世紀4 』
著書, 「パンチ&ジュディの文化史」研究社, 1996年
ヴィクトリア朝のパンチ&ジュディ
岩田託子
日本ヴィクトリア朝文化研究学会第23回全国大会, 2023年, 単独, 有り, 国内会議, シンポジウム・ワークショップパネル(指名), パネリスト, 日本ヴィクトリア朝文化研究学会, 関西大学, Kansai University, シンポジウム「ヴィクトリア朝の/と人形(劇)」において英国を代表する人形劇パンチ&ジュディの長い歴史からヴィクトリア朝に限定して浮かぶ特徴と見逃されがちなスクリーンプラクティスとの関り、また当時の英学者のパンチ&ジュディへの反応の観点から報告した。
「21世紀のグレトナ・グリーン」7月24日 14時~ JSS NEWSLETTER
岩田託子
第7回JSSカルチャー講座講師, 2022年, 単独, 査読有, 有り, 国内会議, 公開講演,セミナー,チュートリアル,講習,講義等, 講演者, JSS 日本スコットランド協会, JSS日本スコットランド協会, The Japan-Scotland Society, 『イギリス式結婚狂騒曲』(中公新書, 2002)から20年の時を経て、舞台となったグレトナ・グリーンの現状を報告し、また、様々な虚構作品に使われる例を追加した。
日本におけるパンチ&ジュディ再考
岩田託子
世界人形劇連盟日本支部年次会, 2020年, 単独, 査読無, 有り, 国内会議, 公開講演,セミナー,チュートリアル,講習,講義等, 講演者, 世界人形劇連盟日本支部, 名古屋, Nagoya, 翻訳書出版後のさらなる調査結果報告を行った。
マジックランタンをめぐるレクチャー
岩田託子
「マジック・ランタン 光と影の映像史」, 2018年, 単独, 査読無, 有り, 国内会議, シンポジウム・ワークショップパネル(指名), パネル, 東京都写真美術館, 東京, Tokyo, 所蔵品を題材に、英国民衆文化から特徴的な所蔵品を解説した。
日本の幻灯フィルム例「せんぷりせんじが笑った!」上映と解説
岩田託子
幻灯協会第10回国際大会, 2017年, 共同, 査読有, 国際会議, 口頭発表(一般), 幻灯協会, 英国バーミンガム, Birmingham, England, UK, 幻灯種板とアニメーションフィルムの媒介として35㎜フィルム幻灯作品の傑作「せんぷりせんじが笑った!」を英語音声デジタルDVDを作成の上、上映し、鷲谷花に続き、成り立ち背景を解説した。
パンチ350年と英文学
2012年, 名大サマーセミナー, 名古屋大学
シンポジウム『19世紀イギリス小説に潜む<食>の諸相』「19世紀摂酒/節酒とScenes of Clerical Life 」
2006年, 日本英文学会第78回全国大会, 中京大学
シンポジウム『ハーディ文学に見るイギリス的なるもの』「アフター・テス」
2004年, 日本ハーディ協会第47回大会, 西南学院大学
「文学から文化の研究へ――マジック・ランタン(幻灯機)/ワックスワーク(蝋細工)へのまなざし」
2002年, 日本イギリス児童文学会中部支部例会, 名古屋市芸創センター
"Punch"-related Ephemera: "Ponch-e" and Others in 'Puppetry and Art in Japan'
2012年, East Asia Art & Archaeology Research Seminar at SOAS, U.K., London
A Lantern Reading Competition: How People Understood Lantern Lectures in Victorian Britain in "The Magic Lantern & Victorian Culture"
2010年, The 14th International Convention of the Magic Lantern Society, U.S.A., Bloomington, Indiana
その他
どう遊ぼうか 7. 凧
岩田託子
きんとうん, きんとうん, 111号, 10, 10, 202411, 査読有, 有り, その他, メアリー・ポピンズ、ケイト・グリーナウェイ、カーレド・ホッセイニが扱った凧の例を紹介し、現代アフガニスタン女性支援組織のイラストに込められた祈りを解きほぐした。
その他
どう遊ぼうか 6.玩具店
岩田託子
きんとうん, KINTOUN, 110号, 10, 10, 202407, 査読有, 有り, その他, 19世紀末~20世紀初めの図版、メリエスが晩年運営した例、現代の日本の例などから玩具を扱う店そのものが遊び場につながることを紹介した
その他
どう遊ぼうか 5.鉛の兵隊
岩田託子
きんとうん, きんとうん, 109号, 7, 7, 202403, 査読有, 有り, その他, チャーチルのコレクションを要に、映画の例、現代版、商業利用などを紹介。
その他
どう遊ぼうか 4. ままごと
岩田託子
きんとうん, きんとうん編集局, 108号, 12, 12, 202311, 査読有, 有り, その他, ままごと遊びが子どもの成長にしめる位置づけを日本と比較的に英米をとらえ、また文学・映画のなかでの顕れを紹介した
その他
幻灯師新入り求むー八尾市での池田光惠のとりくみ
岩田託子
マジック・ランタン, 英国幻灯協会, 12, 13, 202309, 査読有, 無し, その他, かつて木綿で栄えた大阪近郊八尾市の歴史的建造物で江戸時代関西に伝わる錦絵を再興する元大阪芸術大学教授池田光惠の試みをレポートした。
その他
どう遊ぼうか 3. トイピアノ
岩田託子
きんとうん, きんとうん編集局, 107, 5, 5, 202306, 査読有, 有り, その他, トイピアノを単に子ども用小型ピアノではなく、別の音楽性、可能性をもつ楽器ととらえ、現在の演者も紹介した。
その他
どう遊ぼうか 2.アバカス
岩田託子
きんとうん, きんとうん編集局, 106, 5, 5, 202303, 査読有, 有り, その他, 英国のアバカスと日本の算盤の違いにふれ、文学表現や映像表現にもたらした違いを考察した
その他
お報せ:京都おもちゃ映画ミュージアムでの「ニコニコ大会」での幻灯
岩田託子
機関誌, 30号, 12, 12, 202203, 査読有, その他, サイレント喜劇映画を音楽・弁士つきで再現する河田隆史主宰の催し(2022年2月26日)で「チャップリンの幻燈会」の虚構性を実際の幻灯機上映の上で太田米男館長が解説した集いを英国幻灯協会に報告した。
その他
どう遊ぼうか 1.ノアの箱舟
岩田託子
きんとうん, きんとうん編集局, 105, 8, 8, 202211, 査読有, 有り, その他
その他
「イギリスのおもちゃ 3.<完>おもちゃ劇人形=トイ・パペット」
岩田託子
きんとうん, きんとうん編集局, 104号, 10, 11, 202205, 査読有, 有り, その他, 玩具のなかで劇人形が日本にくらべて多種多様である理由について考察した。保育園・幼稚園レベルでの子ども観に関わると考えた記事。
その他
イギリスのおもちゃ2.「投影」玩具―幻灯・フィルム
岩田託子
きんとうん, きんとうん編集局, 103, 10, 11, 202203, 査読有, 有り, その他, 子どもが、電気設備が整わない時代に日が沈んで後の暗闇にいかに遊びを獲得したかを光学器械の簡素・安価版おもちゃ幻灯機とおもちゃ映画に模索した。大人の科学品をいかに扱いやすくし、それがどのような限界を持ったかを述べた。
調査報告
イギリスのおもちゃ1.おもちゃ劇場
岩田託子
きんとうん, きんとうん編集局, 102号, 202106, 査読有, 有り, その他, 英国の子ども文化を支え、また特徴を現すおもちゃを紹介し、そこから見える英国らしさを解釈する試みの第一回では、紙製おもちゃ劇場を取り上げ、歴史と特徴例を紹介し、現在でのありようにもふれた。
書評
イシグロ・アメリカ・未来
岩田託子
文芸誌<アピエ>, アピエ, Vol.38, 202109, 査読有, 有り, その他, カズオイシグロがノーベル賞受賞後初めて出版した長編小説『クララとお日様』について、作家本人が必要としたと語る「アメリカのイメージ群」を解きほぐし、その文章での顕れを記した。
その他
文楽の中の錦影絵
岩田託子
マジック・ランタン, 英国幻灯協会, マジック・ランタン, 20, 11, 11, 201909, 査読有, 無し, その他, 2019年7月国立文楽劇場「かみなり太鼓」での池田組による錦影絵の役割紹介。
辞書
「パンチとジュディ」
パンチとジュディ
岩田託子
東京堂, 日本人形玩具大辞典, 201906, 査読有, 有り, 辞典・辞書, 用語説明・文献紹介
調査報告
<< 報告 パンチ生誕350年祭 >>
NPO法人日本ウニマ発行 人形劇のひろば No.120 別冊1~8頁。, 2016/4, 2012年5月パンチ生誕350年祭を祝うロンドンのメイ・フェアに参加した日本人15名グループの代表として、準備から、上演の様子、研究発表シンポジアム、見学会をレポートした。
調査報告
ロンドンからの報告 Woolf Works: A Triptych@Royal Opera House
ヴァージニア・ウルフ研究, 2015/10, 中京大学在外研究員としてロンドン滞在中に機会を得た新作の観劇の報告。バレエ作品化と縁遠いように思える小説が、座付バレエ演出家の手にかかり、どのように舞台化され、また、それを観客はどのように受け止めたかを、各紙レビューをふまえて報告した。
書評
カズオ・イシグロ『忘れられた巨人』
共同通信社配信, 2015/6, 日系イギリス作家イシグロの近作が邦訳された機会に書評の場が与えられたことから、イシグロの作家史の中で本作を位置づけ、また、イギリス文学史の中での特質を記した。
書評
共同通信社文化部編 『書評大全』
三省堂, 2015/4, 以下の書物の刊行時に配信された書評7篇を再録:「モンティパイソン大全」、「『ユリシーズ』の謎を歩く」、「バディ・ボールデンを覚えているか」、「わたしたちが孤児だったころ」、「器用な痛み」、「寝盗る女」、「ほとんど記憶のない女」
その他
講演録「パンチ&ジュディ350年と英文学」
名古屋大学英文学会『IVY』第46巻, 2013/11, 2012年度名古屋大学英文学会サマーセミナー(7月6日)におけるパンチ&ジュディDVD上映つき講演に加筆・修正したもの。
解題
ヴィクトリア時代英国の家政読本
ユーリカ・プレス, 2011/7, 復刻した6冊を解説し、読者のアプローチに便宜をはかった。